中国のライブコマース事情から読み解く!日本で成功する方法 【snsforce】

ライブコマースは、ライブ配信とEコマースを組み合わせた販売手法です。中国のライブコマース市場規模は100兆円に届く勢いで、「12時間で4,000億円近く売り上げた」「30万個の商品を30秒で完売」といった数々の成功事例が報告されています。

 

中国の事例を参考に日本でライブコマースを始めたいところですが、中国と日本では市場規模だけでなく、背景や現状も大きく異なります。そのため、中国のやり方を模倣するだけでは、日本ではなかなか成果が出せません。中国の事例を参考に、日本で成功するライブコマースのやり方を模索する必要があります。

 

この記事では、中国のライブコマース発展の経緯や現状を参考に、日本での成功ポイントを解説します。中国と日本のライブコマース事情の違いを把握し、日本で成功するライブコマースを始めてみませんか?

 

「販売」の中国ライブコマース、「マーケティング」の日本ライブコマース

中国のライブコマースでは、ライブコマーサーやKOLなどの売り手が牽引する形で売り上げが伸びています。

 

KOLは「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の略称で、特定の分野で影響力と専門性を持つ人のことです。ライブコマーサーは、ライブ配信での商品紹介・販売に特化しています。中国ではこういった影響力のある個人を起用したKOLマーケティングが普及しています。

 

さらに、中国ではライブコマース実施のタイミングに合わせた大幅値引きが魅力です。ライブコマースのタイミングが1番安く買えるため、何十万人もの人が集まります。

 

しかし、中国のような個人の影響力と大幅値下げに頼ったライブコマースは、日本ではあまり現実的ではありません。日本でのライブコマース成功のポイントは、販売額以外のベネフィットに目を向けることです。

 

もちろん、状況によっては大幅に売り上げを上げることも可能です。しかし、そこだけこだわらないほうが最終的には大きな利益を得られます。売り上げを上げつつ、「マーケティング」手法としてのライブコマースでさらなるベネフィットを得ていきましょう。

 

顧客とのエンゲージメント構築やブランディング、集客など、日本のライブコマースには企業全体に関わる包括的な価値があります。

 

中国でライブコマースが急成長した背景と現状

中国が日本にとってのモデルケースとならないのは、ライブコマースが急成長した背景や現状に違いがあるからです。背景と現状、課題、そして今後の展望について、中国のライブコマース事情を詳しく見ていきましょう。

 

ライブコマース市場成長の背景

中国でのライブコマース市場成長の背景には、以下の4つの要素があります。

  • 高いEC化率
  • 粗悪品や偽物が流通しやすいEC市場
  • KOLの高い影響力
  • コロナ禍の外出自粛

 

中国は人口が多く国土も広大なため、実店舗での買い物だと時間がかかります。消費活動の活性化のため、都市部から農村部へとECが普及しました。EC先進国だった中国は、いまや世界一のEC大国です。

 

その一方で、中国のEC市場では粗悪品や偽物が流通するという問題がありました。そこから、個人が薦める商品を購入する文化が生まれ、専門知識を持ったKOL(キーオピニオンリーダー)などの影響力が高まります。

 

そういった背景があるところに、コロナ禍による外出自粛がライブコマース市場の急成長をさらに後押ししました。

 

ライブコマースを取り巻く現状

中国のライブコマース市場では「数時間で1億円近くの売り上げ」「1回のライブ配信で500万円」「30万個の商品が30秒で完売」など、多くの成功事例があります。

 

  • Taobao Live(淘宝直播)
  • TikTok(抖音直播)
  • Kuaisyo(快手直播)

 

中国では上記の3大ライブコマースプラットフォームが市場をリードしており、ライブコマースに興味がある人が集まる場ができています。そういったライブコマースの流れやトレンドは、ここ数年大きく変わっていません。

 

しかし、現場のメーカー担当者からは「ライブコマースに以前ほどの勢いはない」という声も出始めているようです。共同購入を売りにしたPinduoduo(拼多多)の急成長など、ライブコマース以外の購入方法の普及が一因だと考えられます。

 

ただし、勢いが落ち着いた現在でも、日本とは比べものにならないほどライブコマースでの売上額があるのも事実です。

 

中国のライブコマースが抱える課題

ライブコマース市場が急成長した中国では、返品率の高さやクレームという課題を抱えています。中国のライブコマース市場が数年で10倍以上に拡大するのに伴い、クレーム数も年々増加しました。

 

ライブコマースに関するクレームは、主に以下の内容です。

  • 不十分なアフターサービス
  • ライブ配信の商品と異なる品質
  • 誇大な宣伝
  • 返品・交換が難しい

 

中国の場合、ライブコマーサーやKOLへの出演依頼は基本的に成果報酬型です。売れた分だけ出演者の収入が増えるため、企画から参加して熱心にライブコマースを盛り上げてくれます。その反面、売るために商品を大げさに宣伝するケースもあるようです。

 

ライブ配信以降は出演者の対応範囲ではありません。販売後は販売企業が担当するため、企業と出演者の連携が取れていないと、購入者が購入後の対応に不満を抱きやすいといえるでしょう。

 

今後の展望予測

中国のマーケティングの主流はUGC(ユーザー生成コンテンツ)になりつつあります。UGCとは「User Generated Content」の略称で、消費者が発信するコンテンツのことです。

 

  • 一般ユーザーのレビュー・口コミ
  • 個人ブログの記事
  • 個人のSNSの投稿

 

皆様も、実際に上記のようなUGCをお店や商品選びの参考にしたことがあるのではないでしょうか。

 

中国のマーケティングでも、KOL(キーオピニオンリーダー)よりKOC(キーオピニオンカスタマー・キーオピニオンコンシューマー)という動きが見られます。KOCは一部の範囲で影響力が強いユーザーで、KOLより消費者に近い存在です。中国発の越境EC「SHEIN」は、Z世代をターゲットにしたKOCマーケティングとライブコマースで大きな成功を収めました。

 

ライブコマースにおいても、自社でコマーサーやライバーを雇用・育成する取り組みが始まっています。

 

今後の中国のライブコマースでは、著名なKOL頼みではなく自社で売る形に移行する企業も増えると見られます。そうなれば、ライブコマース後のアフターサービスや返品、発送といったライブ配信後の課題も解決できるでしょう。

 

ライブコマースにおける日本と中国の違い

日本と中国では、ライブコマースを取り巻く状況にさまざまな違いがあります。そのため、中国をそのままモデルケースとしても日本では思うような成果が得られません。まずは日本と中国の違いを理解して、参考にすべき部分を明確にしていきましょう。

 

以下に日本と中国の大きな3つの違いを解説します。

 

ライブコマースで買う理由

中国と日本の大きな違いは、日本では「ライブコマースだから買う」という理由が薄いことです。

 

中国のライブコマースには、圧倒的なお得感があります。「とにかく安い」というのが中国ライブコマースの魅力です。ライブコマース実施のタイミングで買うのが最も安いため、多くの視聴者が集まり、企業側も大量に売れるため大幅値下げを実施できます。

 

「安さ」が購入理由となる中国と違い、日本のライブコマースではそこまで価格的なメリットを打ち出せません。中国ほどの市場規模がないため、スケールメリットがなく収益が低下するだけで終わってしまうこともあるでしょう。

 

また、日本は商品に対する信頼性が高く、ECモールや自社ECサイト、実店舗のどこで買っても同じ品質の商品が届くのが当然です。そのため、中国のように偽物や粗悪品を警戒して信頼できる個人の推薦を担保とする必要がありません。

 

ライブコマースに特化した人材、プラットフォーム

ライブコマースが発展途上の日本では、ライブコマースに特化した人材やプラットフォームが不足しています。

 

中国にはKOLやライブコマーサーなどの売り上げを作る出演者がたくさんいる一方で、市場が成熟しきっていない日本ではコマーサーが足りていません。

 

「ライブコマースといえばここ」というプラットフォームがある中国と違い、日本ではYahoo!ショッピングLIVE、Rakuten Live、BASEライブなどが3年程度で次々とサービス終了となりました。

 

日本ではプラットフォームからの集客や出演者の広がりが見込めないため、ライブコマースを実施する企業が主導する必要があります。

 

▼KOLやライブコマーサーの違いを明確にしたい場合は、以下の記事もあわせてご確認ください。
ライブコマースに出演する「コマーサー」「KOL」「インフルエンサー」の違いとは

 

▼日本でライブコマースを配信できるアプリやツール・プラットフォームは以下の記事でまとめています。
ライブコマース配信アプリ/ツール/プラットフォーム比較【2024年度最新版】 

 

ライブコマースの成果

これまでに紹介したように、中国には「売り上げ〇千万!」「◯万個販売!」などの成功事例がたくさんあります。

 

しかし、日本では目に見えるライブコマースの成果が分かりにくくなっています。ライブコマースをきっかけに購入を決めても、ECモールや実店舗などほかの場で購入することがあるからです。

 

日本のライブコマースはインスタライブが主流ですが、Instagram自体に販売機能はありません。購入時は自社ECサイトなどに移動してもらう仕組みも、ライブコマース単体の売り上げが分かりにくい一因です。

 

ライブコマースの成果が不明確だと「ライブコマースを始めたが収益を上げられない」という見解につながってしまいます。しかし日本でのライブコマースは、直接的な売上金額だけでなく総合的なベネフィットに目を向ける必要があります。

中国を参考に考える日本での成功ポイント

中国と同じ取り組みをしても日本では成果につながりにくいとはいえ、ライブコマース先進国の中国事例が参考になるのは確かです。大切なのは、中国を参考にして日本に合わせた成功ポイントを考えることです。

 

ここからは、テイラーアップが考える日本での成功ポイントを解説します。

 

消費者に対する「お得感」「特別感」の演出

中国ではライブコマースの圧倒的な安さが魅力でした。中国と同規模の値下げは現実的ではないため、日本では商品価格だけではない「お得感」「特別感」の演出が必要です。

 

日本なら、以下のような施策が考えられます。

  • ライブコマース限定のセットやパッケージ
  • 数量限定での販売
  • ライブコマース限定の購入特典
  • 割引・値引きクーポンの発行

 

割引や特典、限定商品など、ライブコマースの場でしか購入できないという商品訴求が大切です。それに加え、ライブコマース自体の魅力も重視しましょう。

 

商品訴求だけではECサイトでの販売と変わりません。ライブコマースの成功のためには、ライブ配信に参加する理由付けも必要です。

 

たとえば、人気投票やクイズといった参加型・体験型の企画が考えられます。視聴者と一緒に商品でコーディネートを組んだり食材の調理法を募集したりして、コメントしやすくする工夫が必要です。「いいね」やコメントが一定数を超えるとグッズプレゼントなど、視聴者全体で盛り上がれるような企画を考えてみましょう。

 

社内コマーサーの育成

ライブコマーサーが不足している日本では、社内コマーサーの育成が成功につながるひとつの方法です。コマーサーとしてのスキルセットを身につける段階で、ライブコマース自体の知識が深まります。社内コマーサーがいると、ライブコマースの企画段階から演者と作り上げる仕組みを自社で実現できます。

 

ライブコマース先進国の中国でも、自社育成の動きが見られています。

 

中国ライブコマースでは、倒産寸前だった企業がライブコマースやショート動画で活路を見いだした事例がいくつかあります。

 

  • 工場を背景にした配信
  • 商品を使った強度実験
  • 製造過程を公開

 

この事例では、ライブコマースにKOLを起用していません。当事者の社員や幹部が上記のような配信をすることでファンがつき、売り上げにつながりました。

 

社内コマーサーの育成が進めば、KOLの影響力や販売後のフォロー体制を会社が担う形で、ライブコマースを自社発信の販路とできます。

 

テイラーアップでは「LIVURU EDUCATION」というライブコマーサー研修を提供しています。目的設定/企画作りから分析までワンストップで対応できる「LIVURU」と組み合わせ、成果を出しながら自走できるライブコマースを目指す形もおすすめです。

 

ライブコミュニケーションで顧客との関係性を強化

日本ではさまざまな販路で同品質の商品が購入できるため、ライブコマースで買う理由付けが難しくなっています。その課題解決のため、日本においては「販売」だけにこだわらず、顧客との関係性を強化する「ライブコミュニケーション」にも力を入れていきましょう。

 

ライブコミュニケーションは、ライブコマースの場であえて売らず、PRや視聴者とのコミュニケーションにとどめることです。商品の開発秘話やブランドのこだわり、自社の思いを伝えて共感や思い入れを得られれば、視聴者が自社のファンへと育ってくれます。

 

ライブコミュニケーションにはほかにも以下のようなメリットがあります。

 

  • エンゲージメント向上
  • ブランディング強化
  • 顧客同士のコミュニケーション
  • 顧客満足度の向上

 

ライブコマース自体の売り上げが伸び悩んでも、ほかの販路や機会で購入してもらえれば売り上げの底上げが可能です。日本でのライブコマースを成功に導くなら、その場で売らないライブコミュニケーションによる総合的なベネフィットを意識しましょう。

 

▼ライブコミュニケーションについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ライブ配信の目的を決める – 戦略型ライブコマース

 

販売だけではなくマーケティングとしてのライブコマース

中国では直接的な販売が強いライブコマースですが、日本では「マーケティング」手法としてのライブコマースが成功につながる勝ちパターンのひとつとなります。

 

日本では「ここ」というライブコマースプラットフォームが定まっていません。そのため、現在ライブコマースの8割を占めるといわれるインスタライブが、今後も主流となるでしょう。SNSマーケティングで認知拡大やファンの獲得を進めている企業においては、ライブコマースの実施でよりファンの熱量を高められます。

 

何より、ライブコマースの双方向コミュニケーションで得られる視聴者のリアルな声は、今後の顧客対応や商品に活かせる重要なデータです。

 

ライブコマースの分析データには広告効果の改善も期待できます。CPA(顧客獲得単価)の高騰をライブコマースで解決した企業の事例もあります。

 

ただし、日本のライブコマースの主流であるインスタライブは、視聴者数やコメント内容のデータが残りません。EC・広告・SNS運用・商品開発などあらゆる施策にライブコマースを活かすには、「データの取得」が必要です。

 

テイラーアップの「snsforce」なら、コメントしたフォロワーやコメント内容などをログとして残せます。全てのライブデータがシステム上に蓄積されていくため、消費者の希望に沿った展開が可能となります。

 

snsforceは、マーケティングの基盤に活きるだけでなく、「視聴者へフォローDMを自動で送信」「ライブ開始時にXへ連動告知」などの機能でインスタライブ自体もサポートします。

 

日本でのライブコマースを成功に導く「snsforce」「LIVURU」もぜひご活用ください

日本でのライブコマースは、中国のように一気に売り抜く場ではありません。中国と日本では市場規模だけでなく背景や現状も大きく違います。そのため、中国をモデルケースとするのではなく、中国を参考に日本でのやり方を押さえることが必要です。

 

日本でのライブコマースは、販売金額や販売個数などの直接的な効果より、顧客とのエンゲージメント構築やデータ分析による広告改善効果を重視しましょう。マーケティング手法として包括的な価値があるため、SNSマーケティングにも通じるインスタライブのデータ取得がとくに重要です。インスタライブのデータを今後の施策に活かしたいなら、「snsforce」の導入をおすすめします。

▼広告なしでも売り上げを上げる仕組みを作る「snsforce」の詳細を以下よりお確かめください。
https://www.snsforce.jp/

 

また、これまでにライブコマースを実施して、期待する結果が得られなかったケースもあるかと思います。同様に、ライブコマースを何から始めたらいいのか迷うこともあるでしょう。

 

ライブコマースのやり方や戦略がわからない場合は、伴走型の「LIVURU」がおすすめです。

 

売る商品だけ用意すれば、それ以外の部分はすべてお任せいただけます。実践をとおして、販促企画やキャスティング、集客など、わからない部分や不安な部分を理解していきましょう。

 

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