企業が運用するSNSとしては、インスタグラム(Instagram)が主流です。なかでも、ライブコマースを実施する企業の多くはインスタライブを利用しています。利用者が多いインスタグラムは、認知度拡大や集客に役立つ重要なビジネスツールです。
インスタグラムの運用にあたって、投稿やインスタライブの内容がワンパターンになりがちなのは企業にとっての「あるある」ではないでしょうか。そういったときに役立ててほしいのはインスタライブの「Live Rooms(ライブルーム)」機能です。
Live Rooms機能を利用すると、最大4人でライブ配信ができます。この記事では、Live Rooms機能の使い方やビジネス活用のメリットをお伝えします。実際にLive Roomsで視聴者の心をつかんだ活用事例もお伝えしますので、インスタグラム運用の参考になれば幸いです。
Contents
4人で配信できる「Live Rooms」機能
インスタグラムのLive Roomsは4人でライブ配信できる機能です。従来、インスタライブで一緒にライブ配信できるのは自分ともう1人だけでした。2021年3月より最大2名だった配信者が4人に拡大されたことで、インスタライブで実現できることの幅が広がりました。
Live Roomsでは自分以外に最大3人をゲストとして招待できます。一度に3人追加することも、ひとりずつ順番に追加することも可能です。ゲストとして招待するには相手からフォローされている必要がありますので、事前に確認しておきましょう。
Live Roomsでは、商品紹介よりもトークや座談会形式の配信企画がおすすめです。配信者が4人になると画面が4分割されるため、商品が小さくしか映りません。商品を紹介するにしても、パッケージや商品の見た目より、機能や使い心地などの言葉で説明できることを配信の中心に据えましょう。
Live Rooms機能の使い方
Live Rooms機能の使い方は、特に難しいことはありません。インスタライブを始めて、そこに一緒に配信するゲストを追加するだけです。
まずは、インスタグラムのホーム画面から「+」マークをタップしてライブ配信を始めます。
続いて、一緒に配信するゲストを招待します。先に触れたとおり、ゲストは一度に3人同時追加も順番に追加も可能です。
+マークがついている人型アイコンをタップすると、「招待する」という画面になり視聴者の一覧が表示されます。その中から招待したい人を選びましょう。一覧で見当たらない場合は、検索欄から探してみてください。
また、視聴しているライブ配信には参加をリクエストできます。「参加をリクエストする」をタップすると、ライブルームにリクエストが送信されます。配信者が承認するとゲスト参加が可能です。
配信者は+マークがついているカメラのアイコンをタップすると、ルームへの参加リクエストが表示されます。参加を承認すればリクエストを送った視聴者がゲストとして参加できます。
インスタライブの始め方や視聴者の増やし方については、以下の記事で詳しく紹介しています。インスタライブについて徹底解説していますので、あわせてご覧ください。
▼インスタライブを配信・視聴するには?基本~企業での活用方法まで徹底解説
Live Rooms機能のビジネス活用とそのメリット
Live Roomsのメリットは4人での配信ができるだけではありません。実はビジネス面においてもさまざまなメリットがあります。
ここからは、Live Rooms機能のビジネス活用とそのメリットについて詳しく解説します。
コラボ配信によるリーチ拡大が可能
コラボ配信は、これまでリーチできなかった層にアカウントを知ってもらえるチャンスです。コラボ相手のフォロワーにも配信が通知されるため、コラボ相手のフォロワーにもリーチできます。配信の内容によっては、コラボ配信をきっかけにフォロワーが増える可能性も高まるでしょう。
Live Roomsなら4人それぞれのフォロワーにリーチできるため、思わぬ相乗効果が期待できるかもしれません。コラボ配信は、新規フォロワーの獲得や認知拡大に有効です。
配信できる企画が増える
配信者が増えると実現できる企画の幅が広がります。2名だと対談が限度ですが、4人配信だと司会進行役が一緒に参加できるため、ディスカッションや意見交換ができるようになります。
出演者が一カ所に集まらなくても良いため、オンラインで実施する商品企画会議を配信するという企画も考えられます。企業やブランドの姿勢を伝えられるうえに、視聴者の反応からアイデアを得られるかもしれません。ペット系の商品を扱う企業なら、一カ所に集まることが難しいペット達を含めた配信も検討できます。
また、インスタグラム公式によると、Live Roomsの使い方としてジャムセッション(即興演奏)も紹介されています。4人がそれぞれのアカウントで参加できるので、同時に別の場所で同じことをするといった企画も楽しめるでしょう。企業アカウントなら、別の場所にいることを活かして、その場にあるものだけでメイクや料理をする「しばり配信」も良さそうです。
同じ商品を使ったコーディネートやメイクを数パターン紹介するにしても、ライブ配信なら手順も含めて見せられます。それぞれのモデルさんが完成するまでの過程をアップで見せられるのも、画面を4分割できるLive Roomsならではの企画です。
効果的なライブコマースができる
商品を紹介するライブコマースでは、実際の使用シーンの紹介が有効です。例えば、実際にメイクや料理をする配信などです。これらの使用シーンは、Live Rooms機能を利用することで、より商品の魅力を伝えられます。
配信者が4人いるLive Roomsなら、司会・パフォーマー・解説者など出演者の役割分担が可能です。料理やメイクしながら商品の説明をするのではなく、進行は司会、商品説明は解説者が担当しましょう。それぞれの役割に集中できるため、伝えるべきポイントをしっかり押さえられます。
メイク配信なら、効果やカラー展開、値段などのスペック部分は解説者が、テクスチャーや使用感は実際にメイクをしながら説明するイメージです。複数人で配信することで、商品の効果をしっかり見せつつ、特徴などを複数人の言葉で漏れなく伝えられます。
こういった配信者としての役割を自社のスタッフで分担できるようになると、キャスティング費用を抑えられます。効果的なライブコマース実施のためには、まず自社でライブコマーサーを育成するのもひとつの方法です。
テイラーアップは「LIVURU EDUCATION」というライブコマーサー研修を提供しています。セミナー形式と実践形式の組み合わせで、ライブコマースの知識や配信のテクニックが身に付きます。
語り合い配信でファンを増やせる
コメント欄でのコミュニケーションは、ライブ配信ならではの魅力です。配信者を4人まで増やせるLive Roomsなら、リアルタイムでコメント欄の質問に回答するだけでなく、商品の愛用者など、視聴者にゲストとして配信に登場してもらうこともできます。コメント欄でのテキストコミュニケーションに加え、配信の場で意見交換することでより深掘りした配信ができるでしょう。
視聴者に配信の場に参加してもらうと、ユーザー側の知りたいことについてきちんと説明できるメリットがあります。視聴者からのコメントや質問はマーケティングにも活かせます。
顧客のニーズを探るための語り合い配信は、さまざまな業種・商品に応用できます。例えば掃除機を売りたいメーカーなら「家事の不満」について語り合うライブ配信などが考えられるでしょう。
視聴者と語り合う配信には、顧客との関係性をより強化できるメリットもあります。視聴者とのファンミーティングは、企業への信頼や愛着を示す顧客ロイヤリティの向上につながります。そういった顧客対応を配信で見せることで、さらにファンが増えるかもしれません。
広告感や売り込み感が薄まる
Live Roomsのメリットは、インスタグラムで敬遠されがちな広告感を薄められるところにもあります。インスタライブで一方的な商品説明に終始すると、どうしても売り込み感が出てしまいます。敏感な視聴者なら、それを感じ取って離脱してしまうかもしれません。
トークメインのコラボ配信にすることで、いわゆる「売り込み感」が減ります。画面上で複数の配信者が並ぶため、対談やトークショーのように会話メインの配信だと認識され、いきなり商品紹介から入るよりも抵抗感なく見てもらえるでしょう。
さらに、トークから商品紹介につなげれば、紹介する必然性があるため商品に興味を持ってもらいやすくなります。
テストマーケティングツールとしても有効
Live Roomsはテストマーケティングツールとしても有効です。調査会社では得られないユーザーインサイトの収集に役立ちます。
ライブ配信では、熱量の高い視聴者からのリアルな意見が得られます。中には、想定外の意見や質問が寄せられることがあり、それはマーケティングにとても効果的です。ひとつのコメントが呼び水となってさまざまな意見が集まり、新しい視点を得られます。
また、視聴者にそれぞれのフォロワーが集まるのが複数人配信の特徴です。立場が異なる複数人がトークすることで、視聴者も多様化しさまざまな意見が出やすい環境が整います。これは、Live Roomsならではのメリットだといえるでしょう。
インスタライブに変化をつけられる
ビジネスにおいてSNS運用は必須です。フォロワー数を増やしたりユーザーとの関係性を強化したりするには、継続的かつ定期的なコンテンツ配信が必要になります。画像やリール動画の投稿だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションが取れるインスタライブは積極的に実施したいところです。
しかし、配信のネタに困って、同じ商品ばかり紹介したりだらだらとした雑談配信を繰り返したりしてはいないでしょうか。Live Rooms機能で実施できる企画の幅が増えれば、マンネリを打破して配信に変化をつけられます。
4人でのコラボ配信をするにしても、以下のようにさまざまな企画が考えられます。
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趣向を凝らした配信を続ければ、インスタライブで新たなファンを獲得できるでしょう。
インスタライブに変化をつけるには、コメント内容などからユーザーの求めていることを察して、内容や切り口を改善することも必要です。しかしここで1つだけ問題があります。インスタライブのコメントは、そのままでは配信終了後には消えてしまうのです。
そんな時、情報の宝庫であるインスタライブのコメントをログとして残せる「snsnforce」を活用すれば必要なデータが一目瞭然。ユーザーの求めていることを分析し、次の配信はもちろんマーケティングや顧客満足度の向上などに幅広く活かせます。
▼視聴者が求めていることを分析・把握して売上につなげる「snsforce」
Live Roomsで視聴者の心をつかんだ活用事例
最後に、ビジネス活用で成果が出たLive Rooms活用事例を2例紹介します。どちらも、Live Roomsの特徴とメリットを存分に活かした事例です。
視聴者数3万人を達成した語り合い配信
A社様では、Live Rooms機能を利用した4人配信で、配信中の視聴者数3万人を達成しました。A社様の課題は、メイクアップブランドの新商品の使い方や強みを知ってもらうことです。新商品に対する理解を深めるために企画したのは、「ラメ好き女子」が語り合う女子トーク配信でした。
配信に参加したのは、A社の美容部員とメイク系のインフルエンサー3名です。ブランドには100種類を超えるラメ入り商品があります。その中から、なりたいイメージや好みの使用感に合わせた商品を、社員である美容部員が紹介しました。
ラメの魅力や自分の好みを語り合う中に商品紹介を混ぜることで、自然な形での商品PRができた好例です。4人の配信者だけでなく、視聴者も含めて語り合うスタイルが盛り上がりました。配信中の視聴者数は3万人を突破し、アーカイブ配信を考えるとさらに多くの層にリーチできたといえるでしょう。
ビジネス活用のメリットとしても触れましたが、語り合い配信は業種を選ばず配信でき、ファンを増やすのに役立ちます。
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上記のように語り合い配信のポイントを押さえ、視聴者からの好感度の高い配信企画を考えてみましょう。
トーク配信に有効な出演者のキャスティングや配信企画なら、テイラーアップにご相談ください。企画立案や出演者アサインだけでなく、配信当日の撮影ディレクションまでお任せいただけます。
想定外のニーズやテーマから広告クリエイティブ改善
ライブ配信は、ライブ中の盛り上がりの推移やコメントの分析を通じてテストマーケティングに利用できます。B社様の事例では、Live Roomsを利用したライブ配信リサーチが、マーケティング展開や広告のクリエイティブ改善、その後の商品開発に活用できました。
光美容器を取り扱うB社様が実施した配信企画は、インフルエンサーと本音で語り合う女子会配信です。ルームウェアを着用した4人のリラックスした雰囲気で、ファンも含めて本音ベースでの対話が盛り上がりました。人前では話しにくいムダ毛ケアなどのデリケートなテーマは、お互いの顔が見えないライブ配信との相性が良いようです。出演者と視聴者だけでなく、視聴者同士の共感が生まれ、想定していなかった方向性のコメントがたくさん飛び出しました。
B社様の光美容器の初期ターゲットは「美に対する意識の高い系20~30代女性」でした。しかし、実際ライブ中に寄せられたコメントでは以下のような声が挙がりました。
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多数得られた想定外のニーズやテーマは、「脱毛器は一家に一台」といった訴求や新しいニーズに応える広告クリエイティブなどの施策につながりました。
コラボ配信で多方向にリーチできるLive Roomsは、顧客インサイトの調査方法として適しており、マーケティングの課題の打ち手が見つかる可能性が大きいため、積極的にLive Roomsによるコラボ配信を実施したいものです。
なお、ここで注意したいのは、マーケティングや広告クリエイティブ・商品開発に活かすためには、インスタライブのコメント取得が必要だということです。通常ならインスタライブのコメントは配信終了後に消えてしまいます。必要なデータをログとして残すなら「snsforce」の導入をご検討ください。テイラーアップが提供するsnsforceなら、過去のライブデータを取得できるため顧客のニーズをくみ取り今後に活かせます。
Live Rooms機能なら視聴者のファン化が進む!
4人同時配信できるLive Rooms機能なら、コラボ配信による効果的なライブコマースが実施できます。コラボ相手のフォロワーにもリーチできるため、フォロワーの増加や認知拡大も期待できるのはLive Roomsの大きなメリットです。
さらに、出演者が増えることで、これまで以上にさまざまな企画を実施できます。インスタライブの質が上がればユーザーが配信を楽しみにしてくれるようになるでしょう。見ていて楽しい配信を繰り返すことで、より企業と顧客のつながり(エンゲージメント)を強化でき、顧客のファン化につながります。
ライブ配信はテストマーケティングツールとしても有効です。顧客の生の声であるコメントは、分析すればさまざまな場に活かせます。大切なのは、インスタライブの取得データを分析してコンテンツを最適化していくことです。PDCAサイクルを回しながら、より良いライブ配信を目指しましょう。
インスタライブのデータ取得なら「snsforce」がおすすめです。データ取得だけでなく、インスタライブ中のコメントに対してDMを自動送信できます。商品ページURLを確実に知らせられるため、購買率アップも見込めます。
▼ライブデータ取得・DMの自動送信でインスタライブの売り上げを伸ばす「snsforce」
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