ビジネス発展のため、いまや企業にとってSNS運用は必須課題です。帝国データバンクが2023年に実施したアンケートによると、企業が活用しているSNS媒体のTOPは「Instagram(インスタグラム)」でした。ライブコマースを実施する企業の多くも、ライブ配信のプラットフォームにInstagramを選んでいます。
Instagramは、視覚的なコンテンツで商品やサービスの良さを伝えやすい一方で、プラットフォーム内で直接購入する機能はついていないため、どうECサイトに誘導するかが課題だといえるでしょう。そういった課題解決につながるのが、Instagramのショッピング機能です。
ショッピング機能を利用すれば、投稿した画像からすぐに自社ECサイトに誘導できます。この記事では、Instagramショッピング機能について詳しく紹介します。あわせて、ショッピング機能を含めたInstagram運用のポイントもお伝えしますので、SNSマーケティングの参考になれば幸いです。
参照:「社外に向けたSNS」、企業の4割で活用 個人消費向けでは74.6%に~ SNS活用目的、「認知度向上」がトップ ~
Contents
インスタのショッピング機能を紹介
上記は、Instagramのショッピング機能紹介ページに掲載されている画像です。左から順に、商品タグを設置した投稿、ショップ内のコレクション、ショッピング投稿を利用したフィード広告です。
ショッピングタグ
Instagramのショッピング機能を利用すれば、フィード投稿やストーリーズに画像のような吹き出し型のタグをつけられます。商品タグには商品名や価格を記載でき、数タップで自社ECサイトに誘導できます。
なお、Instagram内のどこでも好きなところに商品リンクを貼れるわけではなく、URLがリンクとして機能するのは下記2カ所だけです。
- プロフィール
- ストーリーズのリンクステッカー
投稿のキャプションにもURLは貼れますが、文字列として表記されるため直接サイトに飛ぶことはできません。過去にはプロフィールに誘導して、そこからリンクをタップしてもらう必要がありました。
ショッピング機能を利用すれば、プロフィールを経由しなくても商品ページに誘導できます。多くの人の目に触れやすいInstagramなら、ECサイトの認知度が低い段階でも効果的な集客が可能です。
ショップページ
全ての取り扱い商品はショップページに掲載されます。ショップページには、カテゴリのほかに任意のテーマごとに商品をまとめられる「コレクション」という機能があります。「ギフト向け」「リラックス」「パステルカラー」など、商品カテゴリにとらわれないさまざまな打ち出し方が可能なので、ショップやブランドのイメージをより伝えやすくなるでしょう。
ショッピング機能を導入すると、プロフィール画面にショップページへのリンクが追加されます。ショッピング投稿の「ショップを見る」からもリンクされます。
フィード広告
ショッピング機能はフィード広告としても出稿できます。タイムラインで目に留まりやすく、商品タグを設置した通常投稿を利用するため広告色が薄いのも大きなメリットです。
通常の広告なら「詳しくはこちら」などのCTAボタンしかタップできませんが、ショッピング機能を利用した広告は投稿に設置した個別の商品タグもタップ可能です。タップ箇所が多いため、商品に興味を持ってくれたユーザーを効果的に商品ページに誘導できます。
ECサイトに誘導しやすいショッピング機能は、ECサイト運営者ならぜひとも利用したいところです。ショッピング機能は無料で利用できますので、一度試してみるのはいかがでしょうか。
Instagramショッピング機能の始め方
ここからは、Instagramショッピング機能の始め方を解説します。ステップは多いですが、順を追って対応していけば難しくはありません。
1.利用要件を確認する
まずはショッピング機能の利用要件を確認します。公式では細かく書かれていますが、基本的には以下の内容に当てはまっていれば問題ありません。
|
前提として、ショッピング機能のコマースポリシーに反しない商品を扱っている必要があります。有形商品しか販売できないため、占いやセミナー、デジタルコンテンツなどは販売できません。そのほか、アルコールや経口サプリメントなどは禁止コンテンツとなっています。
1~3に関しては公式の「コマースの利用資格」にしっかり目を通せば問題ないでしょう。4と5は正しく設定する必要がありますので、以下に解説していきます。ひとつずつ進めていきましょう。
2.Instagramをビジネスアカウントに移行する
Instagramが個人アカウントの場合は、ビジネスアカウントに移行します。ビジネスアカウントの切り替えは、以下の手順で行います。
|
企業なら、6.は「ビジネス」を選択しましょう。その後、連絡先情報を入力する画面に進みます。連絡先情報は後から入力することも可能です。
Instagramのビジネスアカウントは無料で使えます。ショッピング機能やインサイトを使えるようになるため、企業ならビジネスアカウントがおすすめです。
ただし一度個人アカウントに戻すとインサイトがリセットされてしまいます。また、非公開アカウントにはできませんので、その点も注意が必要です。
3.コマースマネージャでショップを設定する
ショッピング機能の利用にはInstagramとFacebookが連携している必要があります。ここからはPCでFacebookの設定をしていきましょう。
InstagramとリンクさせるFacebookページの設定画面を開き、「Meta Business Suite」に進みます。「すべてのツール」「コマース」の順にクリックすると、コマースマネージャが開きます。
「ショップを作成」を選択し、順番に進めていきましょう。最後に「設定を終了」をクリックしたらショップの設定は完了です。
4.商品カタログを作成する
Facebookの「コマースマネージャ」で「カタログ」「商品」の順にクリックします。右上にある緑色の「アイテムを追加」ボタンをクリックして、商品を登録する画面に移動しましょう。
商品登録のやり方は、以下の3種類です。
- 手動
- データフィード
- ピクセル
手動の場合は、一商品ずつ商品名や販売価格、URLなどを入力します。GoogleスプレッドシートやExcelで一括登録・編集したい場合はデータフィードを選んでください。
そのほか「ピクセル」の選択肢もあります。Metaピクセルは、サイト内でのユーザーの行動を記録するJavaScript コードです。MetaピクセルをECサイトにインストールすると、自動で商品情報をアップデートできます。
5.Instagramにショッピング機能の審査申請を行う
ここからはInstagramでの設定に戻ります。
Instagramプロフィール画面の「プロフェッショナルダッシュボード」を開いてください。「ショップ」を選択して設定画面に進みましょう。「開始する」をタップし、Instagramアカウントと連携させたいFacebookページを選びます。
順に情報を入力し、最後に「審査を申請」をタップすれば完了です。おつかれさまでした!
6.Instagramの投稿にショッピングタグを追加する
審査完了後に、ショッピングタグを追加できるようになります。
新規投稿画面で「商品をタグ付け」をタップし、カタログからタグ付けする商品を選びます。タグは、わかりやすいように商品の近くに設置しましょう。
過去の投稿にも商品タグを設置できます。編集画面を開いて「タグ付け」をタップし、「商品をタグ付け」を選びましょう。
Instagramショッピング機能についてのよくある質問
Instagramのショッピング機能について、よくある質問をまとめました。
ショッピング機能の利用料金は?
Instagramのショッピング機能は無料で使えます。ショッピング機能の利用に必要なビジネスアカウントも無料です。
ショッピング機能の審査には何日かかる?
審査には数日〜1週間ほどかかります。早ければ当日中に承認されることもあるようです。
1週間以上経ってもショッピング機能が使えるようにならない場合は、審査に通らなかったか、審査がされていない可能性があります。正しく申請できているかどうか確認してみましょう。
審査結果はどこで確認できる?
ショッピング機能の審査に通った際はInstagramアプリに通知が届きますが、審査に通らなかったときの通知は特にありません。
審査状況はInstagramアプリで確認できます。
|
まだ審査中の場合は「審査中です」、審査に通らなかった場合は「承認されませんでした」と表示されます。
審査に通らない原因は?
審査に通らなかった理由は公開されないため、どこがきちんと設定できていなかったのか、自社側でチェックが必要です。特に以下の点を見直してみましょう。
|
またフォロワー数が少ない場合はやや審査に通りにくいようです。新しく作ったばかりのアカウントなら、まずはフォロワー数と投稿数を増やすことに注力してみましょう。
FacebookまたはInstagramの「チェックアウト」って?
ショッピング決済機能「Checkout(チェックアウト)」とは、Instagram内で支払いできる機能のことです。現時点では米国のみで導入されており、日本では実装されていません。
ただし、この先、日本でもチェックアウト機能が提供される可能性はあります。確実に実装される保証はないものの、海外に遅れて日本でも同じ機能が使えるようになることは珍しくありません。
ECサイトがない場合はどうしたらいい?
日本ではチェックアウトが導入されておらずインスタ内での決済ができないため、実際に商品を販売するにはECサイトが必須です。
自社でECサイトを持っている場合はそちらへ誘導すればOKです。持っていない場合でも、BASEやSTORESなどのサービスを利用すれば無料でECサイトを開設できます。商品が売れたときの決済手数料を含めて出店を検討してみてください。
ショッピング機能を含めたインスタ運用のポイント
SNSにはそれぞれの特徴があります。SNS運用を成功に導くには、SNSの特徴に合わせることが重要です。ここからは、ショッピング機能を含めたインスタ運用のポイントを解説します。
フォロワー数を増やして多くの人に見てもらう
ショッピング機能を活用しても、フォロワー数が少ないと大きな効果は得られません。ショップの投稿を見てくれるフォロワーを増やすことが重要です。また、そもそもフォロワー数が少なすぎると、ショッピング機能の審査に通らない可能性もあります。
まずは、必要な情報を掲載してプロフィールを充実させましょう。多くのユーザーはプロフィールを見てフォローするかを決めます。販売する商品やショップ、ブランドのコンセプトが伝わるように工夫しましょう。
フォロワーの増やし方は以下の記事で詳しく解説しています。フォロワーを増やすために今やることが明確になりますので、あわせてご覧ください。
▼企業や店舗の【インスタグラム】フォロワーの増やし方 【snsforce】
セールス感が強く出ないように気を付ける
Instagramでは、セールス感の強い投稿は敬遠される傾向があります。過去に「インスタ映え」「フォトジェニック」という言葉がトレンドだったように、現在も一定以上の画像のクオリティは必要です。「いかにも広告」という投稿にならないように気をつけましょう。
ショッピング機能の審査に通った後も「強すぎる広告感」には注意が必要です。ショッピング投稿ばかりを繰り返したり、同じ商品ばかり何度も投稿したりするのは避けたほうが良いでしょう。一気にセールス感が増してしまい、インスタユーザーの気持ちが離れてしまいます。
タグ設置時には、多く追加すぎて画像の雰囲気を壊さないよう気をつけてくださいね。タグが人の顔にかぶらないようにすることも大切です。
商品カタログ感覚でビジュアルにこだわったショップを作る
ショップページには、商品タグを設置したすべての商品が並びます。画像1枚の質だけでなく、並んで表示されたときの統一感なども意識しましょう。テキストをたくさん記載した売り出し感の強い画像は、インスタユーザーはあまり好みません。魅力的な投稿を意識して、写真としてのクオリティを上げることが重要です。
また、商品を探しやすいようにコレクションも活用しましょう。コレクションは、投稿をテーマごとにまとめられる機能です。カテゴリや金額ごと、ギフトや日常使いなどの用途でまとめれば、見やすくわかりやすいショップページになります。
商品カタログだということを意識して投稿に統一感を持たせ、ビジュアルにこだわったショップを作りましょう。
インスタライブで顧客とコミュニケーションをとる
フォロワー数を増やしたりECサイトに誘導したりするためには、インスタライブでのコミュニケーションも有効です。インスタライブならリアルタイムでユーザーとやり取りができるため、視聴者との関係性を強化できます。
目的に合わせた2種類のインスタライブ
企業が実施するインスタライブは、大きくは以下のふたつに分けられます。
|
企業の多くはライブコマースにインスタライブを利用しています。インスタライブで商品を販売するためにはECサイトへの誘導が必須です。ショッピング機能を利用できるようになればサイトに誘導しやすくなり、さらなる売上アップが期待できるでしょう。
対するライブコミュニケーションは、販売よりもブランド認知などを目的とした「あえて売らない」ライブ配信です。店舗紹介やブランドコンセプトの深掘りは、その場で売上に結び付くわけではありません。しかし、ショップ・ブランドのファンや共感者を増やし、長期的な目線で売上の底上げができます。
ライブコマース・ライブコミュニケーションどちらを目的とするにしても、フォロワー数を増やすことにつながるインスタライブは、できるだけ積極的に実施したいところです。インスタライブ終了後はアーカイブをリール動画として投稿しましょう。リール動画にもショッピングタグを設置できます。
配信・視聴方法など、インスタライブの詳細については以下の記事で詳しく紹介しています。
▼インスタライブを配信・視聴するには?基本~企業での活用方法まで徹底解説
ショッピング機能を使わずにECサイトに誘導する方法
ショッピング機能の審査に通る前でも、自社ECサイトに誘導することは可能です。以下に4つの方法を紹介します。
|
冒頭で触れたとおり、InstagramではプロフィールとストーリーズにURLを貼れます。ただし、それぞれひとつしか貼れません。そのため、複数商品を見せたい場合は、事前にLP(ランディングページ)を作成するといった工夫が必要です。
配信画面にQRコードを映せば、スクリーンショットからQRコードを読み込んでもらえます。
なかでも1番スマートなのは、複数ページのURLや商品名、販売額などを記載したDMを送ることです。
SNSでのライブ配信の効果を最大化するツール「snsforce」なら、インスタライブのコメントに対して配信アカウントからDMを自動送信できます。コメントに合わせて、複数パターンのDMを送り分けることも可能です。
ライブを中断することなく、商品ページURLをInstagram内で共有できるため、視聴者にとってもわかりやすく確実です。
▼DM自動送信機能とインスタライブ告知機能で配信をサポートする「snsforce」
PDCAサイクルを回して改善を続ける
ショッピング投稿もインスタライブも、1回の実施で目に見える効果は出せません。大切なのは、継続的かつ定期的に実施することです。PDCAサイクルを回して改善を続けることで、より高い効果が期待できます。
PDCAサイクルを回すためには、データ分析が欠かせません。Instagramをビジネスアカウントに切り替えたら、インサイトデータが得られます。インプレッションやいいねの数、購入リンクのクリックなどのデータを把握できるため、Instagramをより運用しやすくなります。定量データだけでなく、コメントの内容などの定性データも参考にして次に活かしましょう。
データ分析が重要なのはインスタライブも同じです。ただし、インスタライブでは、ライブ終了後に視聴者数やコメント内容などのデータが消えてしまいます。「snsforce」なら、導入直後から全てのライブデータがシステム上に蓄積されます。
▼視聴者が求めていることを分析・把握して売上につなげる「snsforce」
Instagramショッピングもインスタライブも分析と改善が重要!
ショッピング機能なら、Instagram内で商品情報をしっかり伝えられます。ユーザーが商品に興味を持った時点でサイトに誘導できるため、売上アップが期待できます。ただし、インスタユーザーは広告感が強い投稿を好みません。ショッピングの投稿ばかりにならないように気をつけましょう。
また、ショッピング機能で売上アップを狙うなら、フォロワー数を増やすための施策も必要です。ユーザーにとって有益な投稿や、見て楽しめるような投稿もコンスタントにアップしていきましょう。インスタライブを実施し、ユーザーとコミュニケーションをとるのも有効です。
Instagramショッピング機能もインスタライブも、取得データを分析し、顧客に対してコンテンツを最適化していくことが必要です。Instagramビジネスアカウントのインサイトデータを活用して改善を続けましょう。
インスタライブのデータ取得やコメントに対するDM自動送信機能なら「snsforce」の導入をご検討ください。顧客の声を可視化して改善ポイントを明確にできれば、SNS運用やライブコマースの効果を最大限に高められます。
▼リール再生回数3,000%UP・最高売上1,500万円以上を記録した「snsforce」
また、インスタライブの流れに沿ったLP制作なども対応いたします。広告に利用できるインスタライブのショート動画など、ライブ配信後の二次利用も含めた戦略と制作はテイラーアップにお任せください。
ライブコマースの導入や継続的な実施、インスタライブから売上が上がらないなどの課題がある場合は「LIVURU」がおすすめです。商品だけ用意すれば、企画やキャスティングなど全てお任せいただけます。