導入事例
Case Study

#8 VALX株式会社様
ブランドイメージを一新し女性ユーザーも獲得。
SNSフォースで熱狂的ファンとの深い関係性を構築

SNSフォース導入企業に聞く「SNSマーケティングのいまのカタチ」。第8回は、プロテインやサプリメントを販売するフィットネスブランド「VALX」を運営するVALX(バルクス)株式会社(旧・株式会社レバレッジ)です。もともと筋トレ愛好家をターゲットとしていた同社は、より幅広い層へのアプローチを目指し2024年からInstagramでライブ配信を開始。SNSフォースの導入により、顧客との双方向コミュニケーションを深化させ、熱狂的なファンコミュニティを構築しています。今回は、ブランドプロデューサーの林果穂さんに、SNSフォース導入による効果や、ブランドとファンとの関係構築についてお話を伺いました。
〈インタビュー〉
◆林果穂 様
VALX株式会社
ブランド戦略部 コミュニケーション課 課長/プロデューサー
「筋トレガチ勢」から女性や運動習慣のない方へ。
ターゲット拡大でブランドを一新
まず、貴社の事業内容を教えてください。
林当社は「VALX」というフィットネスブランドを運営している会社です。実は2025年4月1日に社名を株式会社レバレッジからVALX株式会社に変更したばかりなんです。主にECでプロテインやサプリメントを販売する事業をメインとしながら、フィットネスジムの運営も行っています。

事業内容について語る林さん
VALXブランドはいつから展開されているのですか?
林創業自体は約20年前になりますが、元々はトレーナーのマッチング事業など別の事業を行っていました。その後、当社の代表と筋トレ界のレジェンドと呼ばれる山本義徳先生との出会いをきっかけに、サプリメントの開発・販売を始め、VALXブランド自体は今年で5周年、6年目に入ったところです。
SNSフォース導入前のSNS運用における課題は何でしたか?
林VALXは当初、筋トレに熱心な方々、いわゆる「筋トレガチ勢」をターゲットにしていました。そのため、SNSも筋トレのハウツーを中心に発信し、YouTubeでは74万人、Instagramでも23万人のフォロワーを獲得していました。しかし、今後はより多くの方の健康づくりに貢献したいという思いから、筋トレをしていない方や女性にも情報を届けたいと考えるようになりました。それまでのアカウントは、筋トレを連想させる「黒・金・炎」のようなイメージで、新しいターゲット層にとっては全く縁がないと感じるコンテンツが多く投稿されていました。そこで2023年頃からリブランディングを行い、白を基調としたフラットなデザインに変更。さらに2023年夏頃には新たな公式Instagramアカウントを立ち上げ、より幅広い層へのアプローチを始めました。
新しいターゲット層へアプローチする上で、どのような戦略を立てたのでしょうか?
林単なる情報発信だけではなく、お客様との双方向コミュニケーションを重視しました。元々Xでは当社スタッフが積極的にお客様の投稿に反応したり、困っている方に声をかけたりしていましたが、その取り組みをInstagramでも実践したいと考えました。特に2024年1月からはライブ配信を始め、よりリアルタイムでのコミュニケーションを強化しています。
「商品を売る」より「ファンとの対話」を重視。
双方向コミュニケーションの場としてのライブ配信
SNSフォースを導入したきっかけを教えてください。
林最初は別のツールを使っていたのですが、いくつか課題を感じていました。特に大きかったのが、ライブ配信のコメントが残らないという点です。当社のライブは多い時には1時間で1600件ものコメントをいただけるのですが、それらのデータをマーケティングに活かし切ることができませんでした。以前は画面録画をしていましたが、容量が大きく保存や分析が困難でした。
そんな中、SNSフォースを紹介いただき、コメントログ機能をはじめとする便利な機能に魅力を感じて導入に至りました。コメントデータを抽出・分析できるようになり、マーケティングの幅が広がったと実感しています。
SNSフォースのどのような機能を活用していますか?
林最も活用しているのはコメント履歴の保存・分析機能です。コメントを初めてしてくれた人が何人いたか、以前からコメントしてくださっている方が何回コメントしてくれているかなど、データとして管理できるようになりました。これにより「熱狂的なファン」の定義や育成施策を具体化できるようになりました。
また、DM機能も積極的に活用しています。ライブに参加してコメントをしてくださった方に対して、自動的にDMを送り、情報提供やコミュニケーションを継続しています。毎回ライブの冒頭に「参加者みんなでコメントの練習をするコーナー」を設けているのですが、いつも見に来てくれる方が率先して、初めての方でもコメントしやすい雰囲気を作ってくれるんです。そこで、初めての方には「〇〇さん、コメントありがとうございます!」と積極的にコミュニケーションをとることで、参加の敷居を下げる工夫をしています。

DM機能を積極的に活用
ライブ配信はどのような体制で行っていますか?
林最初は2人体制でしたが、現在は主に3人体制で運営しています。撮影はスマートフォンのみで行い、コスト面でも効率化を図っています。当初は週2回配信していましたが、現在は週1回のペースで、より内容を充実させた配信を心がけています。
配信内容に関して工夫している点はありますか?
林当社のライブ配信は「商品を売る」ことよりも、お客様との対話を重視しています。特に人気なのが「VALX会議」という企画で、お客様と一緒に新商品のフレーバーや商品名を考えるなど、ブランドを共に創り上げる体験を提供しています。
例えば、ライブでお客様からフレーバーのアイデアを募集し、最も多かったものを実際に開発。その後、ライブの参加者を会社に招待して試飲してもらい、フィードバックを商品改良に反映させるといった取り組みも行っています。オフラインイベントの企画内容もお客様と一緒に決めるなど、コミュニティ感を大切にしています。
ライブ視聴者の約半数が女性に。
ファン同士の繋がりも生まれ、コミュニティが形成される
新しいターゲット層へのアプローチは効果を上げていますか?
林手応えを感じています。ライブ視聴者の約50%が女性と推測され、当初の目標だったターゲット層へのリーチに成功しています。コメント数も多い時で1時間に1600件、コメント人数は200名程度と、活発なコミュニケーションが生まれています。
また、SNSフォースの導入によって把握できるようになったデータを分析した結果、ライブを視聴している方はブランドへの好意度が高く、顧客生涯価値(LTV)も高い傾向にあることがわかりました。単に商品を販売するのではなく、ブランドへの愛着を育むコミュニケーションが、結果的に売上や利益にも繋がっていると実感しています。
具体的な成果について教えてください。
林最も大きな成果は、ファン同士の繋がりが生まれたことです。これまではブランドと個々のお客様との一対一の関係がほとんどでしたが、今ではお客様同士が当社のいないところで一緒にトレーニングしたり、食事に行ったりといった交流が生まれています。
また、リアルイベントの集客にも効果を発揮しています。「VALX
“FUN”
CAMP(バルクスファンキャンプ)」というイベントでは、ライブでコメントをしてくださっている方々が多数参加し、チーム分けをしてミッションに取り組んでもらうなど、交流を促進する仕掛けも行いました。そこから生まれた関係性が、SNS上でのコミュニケーションをさらに活性化させる好循環が生まれています。

ファン同士の交流が生まれたという
インスタグラムの投稿とライブ配信の連携について、工夫されていることはありますか?
林ライブ配信の盛り上がったポイントを切り取り、リール動画として発信しています。ライブ配信に向けて意図的に切り抜きやすいポイントを作り、効率的にコンテンツを生成できるよう工夫しています。ライブ1回の配信から複数の切り抜き動画を作成できるため、コンテンツ制作の工数も削減できています。
特に効果的なのは、山本先生に出演いただいたトレーニングに関する内容で、中には130万回再生されるものもあります。こうした切り抜き動画から、多いものでは1本の動画でフォロワーが1500人程度増えるなど、新規ユーザー獲得にも大きく貢献しています。
今後の展望:商品を超えた
「健康的なライフスタイル」の提案へ
SNSフォースを導入して良かった点をあらためて教えてください。
林やはりコメントデータを分析できるようになった点が一番大きいですね。単に数字として把握できるだけでなく、「最近この人来ていないな」と気づいて、再訪時に「久しぶりですね」と声をかけるといった、きめ細かいコミュニケーションが可能になりました。こうした小さな心遣いが、お客様との関係性を深める上で非常に重要だと感じています。
また、データを基にした報告書を作成できるようになり、社内での説明や施策の効果検証がしやすくなった点も大きなメリットです。SNSフォースはライブコマースの基盤として、当社のブランド戦略に欠かせないツールとなっています。
今後のSNS運用や展望について教えてください。
林VALXのブランドを通じて、より多くの方の健康づくりに貢献していきたいと考えています。必ずしもVALXの商品を購入していただくことだけが目的ではなく、VALXを通じて人と人との繋がりが生まれ、健康の大切さに気づき、生活が豊かになってくれたら嬉しいですね。

VALXのプロテインは溶けやすく美味しいので続けやすいと評判
最後に、SNSフォースの導入を検討している企業へのアドバイスがあればお願いします。
林ぜひ導入されることをお勧めします。当社も別のツールから切り替えましたが、SNSフォースによってデータ分析の幅が広がり、マーケティング施策の立案や効果検証が格段にしやすくなりました。また、担当者の方々のサポートも心強く、気軽に相談できる環境があることも大きなメリットです。
ライブ配信を通じたファンとの関係構築を重視される企業にとって、SNSフォースは必要不可欠なツールだと思います。当社のブランド戦略においても、今やなくてはならない存在になっています。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
取材・撮影・文 いからしひろき(きいてかく合同会社)