導入事例

Case Study

#4 株式会社ユナイテッドアローズ様
「コミュニケーションの取りやすさを活かし、購買意欲を高めるライブ配信」

青山のオフィスにて

snsforce導入企業に聞く「ライブコマースのいまのカタチ」。第4回は、大人に向けたドレス軸のライフスタイルを提案し、30〜40代の男女に支持されている『UNITED ARROWS』など、複数のアパレルブランドを手がける株式会社ユナイテッドアローズです。コロナ禍をきっかけにインスタライブを開始し、2022年10月にはSNSの活用に特化した「SNS課」という部署を立ち上げるまでに至ったという同社。どのようなライブ配信を行い、snsforceをどう活用いただいているのでしょうか。広報PR部 SNS課の宋すーちんさんに詳しく伺いました。

〈インタビュー〉

宋すーちん 様

株式会社ユナイテッドアローズ
マーケティング本部 広報PR部 SNS課

コロナ禍で始めたインスタライブ。
店舗主体の配信体制で「ライブ感」が出せるように

ユナイテッドアローズは、いつ、どのようなきっかけでインスタライブを開始されたのでしょうか。

弊社は2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、インスタライブを開始しました。緊急事態宣言などで店舗を閉めなければならなくなったとき、お客様に商品の魅力をお伝えする手段のひとつとして、当時他社のブランドも積極的に取り入れ始めていたインスタライブを開始することに決めました。

導入の経緯について語る宋さん

インスタライブでの販促を含む「ライブコマース」は比較的新しい販売手法ですから、運用をスタートさせた当初は、体制構築やノウハウの確立などに迷う場面も多かったのではないでしょうか。

そうですね。インスタライブを始めた当初は、PRメンバーを中心に他社ブランドのインスタライブを見て勉強しながら、手探りで運用していました。今振り返ると、最初の頃の配信は「ライブ感」を全然出せていなかったような気がします。というのも、収録動画と違ってライブ配信は修正がきかないのでかなり抵抗を感じていましたし、そもそも私たち自身が配信をすることに不慣れでした。ですので、緻密な台本をつくっては3~4時間ほどのリハーサルをして、セリフを丸暗記して話すようにしていたんです。

そうだったのですね。しかし、現在の貴社のインスタライブは「ライブ感」がしっかり出ているように感じます。そのような配信ができるようになるまでに、どれくらいの時間がかかったのでしょうか?

およそ半年でしょうか。当初はPRメンバーだけで行っていたインスタライブを、新型コロナの感染者数が落ち着いて店が再開したタイミングで、少しずつ全国各地の店舗スタッフにも協力してもらうようにしたんです。日頃から接客をしているスタッフが出演するようになってからは、その場の臨機応変な対応もスムーズに行えるようになり、お客様とのコミュニケーションを深められるようなライブ感のある配信ができるようになりました。

では、現在は店舗スタッフが中心となってインスタライブを?

時折本社メンバーがサポートしながらも、基本的には現在店舗主体で配信しています。とはいえ、全店舗で配信できるわけではなく、現在は札幌、名古屋、大阪、福岡、六本木、丸の内など主要都市にある店舗に限っていますね。配信内容については、イベントのお知らせなど、各店舗からインスタライブで訴求したい内容を提案してもらい、それらのアイデアをもとに決めることもあります。

現在はどれくらいの頻度でインスタライブを行っているのでしょうか。

基本的には週1回の配信ですが、店舗でのイベントの多い時期だと週2回程度になることもあります。曜日としてはやはり金曜日に実施することが多く、PRメンバーがオフィスから配信するときは、火曜日をライブ配信日と設定することが多いですね。

金曜日の配信が多いのは、土日の店舗への集客を意識してのことだと思いますが、実際の効果のほどはいかがでしょう?

店舗によっては、効果を実感しているようです。イベント開催前は各店舗からインスタライブを実施したいと希望する声があがるので、やはり一定の集客効果はあるのだと思います。

ライブコマースも運用。インスタライブで意識するのは「コミュニケーション」と「映え」

インスタライブでは、どのような企画を実施することが多いのでしょうか。

インスタライブでは、店舗イベントの告知や今シーズンおすすめのアイテムの紹介などを行うことが多いです。「お客様とのコミュニケーションが取りやすい」というメリットを活かし、来店や購入へのモチベーションを高められるような企画を意識していますね。特に『UNITED ARROWS』のウィメンズのターゲット層としては、30~40代の女性で、通勤服を特集する雑誌などを購読されている層が当てはまります。そのような世代の女性はお子さまがいらっしゃる方も多いため、先日は弊社のママ社員にも出演してもらいながら、ママ向けのセレモニースタイル特集を企画して配信しました。また、働いている女性も多いことから、ターゲット層の好みとマッチするスタイリストさまにもゲスト出演していただくことがあります。

ターゲットに合わせて企画や出演者を決めているそう

インスタライブで紹介するアイテムに、特徴や傾向はありますか?

弊社としてプッシュしたいアイテムやシーズンでニーズのあるアイテムを紹介するのはもちろんなのですが、インスタグラムに投稿した際に「いいね」が多数ついたアイテムなどSNSで反応の良かった商品を取り上げることが最近増えてきました。色味も、SNS映えする華やかなものをあえて選んでご紹介することが多いです。

貴社はインスタライブのほかに、ECサイト上で「買える UA LIVE」というライブコマースも実施されていますよね。こちらは、インスタライブの配信内容とどうすみ分けているのでしょうか?

「買える UA LIVE」は、ECサイト内で行うライブ配信ということもあり、よりお客様の購買につなげることに重きを置いています。そのため、新作予約のタイミングやブランドとしてプッシュしたいアイテムがある場合に配信を行うことが多いです。こちらは主に弊社のPRメンバーが配信を担当しており、インスタライブ同様、スタイリストさまにご出演していただくこともあります。インスタライブもライブコマースも、どちらにも共通して言えるのは、「お客様が自分事化でき、有益な情報が手に入るようなライブ配信を行う」ということかもしれません。

なるほど。そのようなポリシーを持ちながら、ライブ配信と並行で運用されているインスタライブですが、弊社のsnsforceを導入しようと思った決め手について教えていただけますか?

アナログなオペレーションをなくすことができたり、ライブ配信中にお客様へのDM送付ができたりする点が魅力的だったので導入を決めました。それまでインスタライブ中にいただいたコメントは、裏方のスタッフがすべてスクリーンショットで記録して、その画像に書かれている文言をわざわざエクセルに手打ちすることで、データを保存していました。でも、snsforceなら、過去ログをシステム上にすべて蓄積できます。営業の方にシステムの紹介をしていただいた際、非常にありがたい機能だと感じたことを覚えています。

現在使っている機能についても、教えてください。

DM送信機能を中心に、コメントログや分析機能なども使用しています。DMではお客様におすすめのアイテムをご紹介しており、ECサイトへのリンクもつけることで、お客様が欲しい情報をダイレクトにお届けできるようなしかけづくりを意識して送付しています。コメントログや分析機能については、ライブ中のお客様の興味関心度を測ったり、出てきたキーワードや質問を振り返ったりすることで、お客様のニーズを把握し、次回の配信内容を企画するのに役立てています。最もメリットを感じたのは、やはりDM送付機能です。購入へのモチベーションが高い方に対して、直接アプローチをかけられるのは非常にありがたい機能だと思いながら、いつも利用しています。

インスタライブにおける成果は、いかがでしょうか。

具体的な数字で成果をお示しすることは難しいのですが、実際にインスタライブを運用している現場の感覚としては、やはり配信を終えると、ご紹介した商品への反響があったりと、商品へのタッチポイントを増やせたと感じることが多いです。

先ほど、インスタライブではお客様とのコミュニケーションを重視しているとのお話もありました。「お客様とのコミュニケーションの変化」という観点から、何か良い効果はありましたか?

お客様との距離が縮まったように思います。具体的には、インスタライブの回数を重ねるにつれて、お客様からコメントや質問をいただく機会が増えました。例えば質問内容も、「〇サイズだと丈感はどんなかんじですか?」「商品のデザインをもっと近くで見たい」といった、より突っ込んだものをいただくことが増えています。また、出演している店舗スタッフにはファンがつき、「インスタライブに出ていた●●さんですよね」などと声をかけてくださるお客様も出てきました。少しずつですが、弊社のブランドとお客様とのコミュニケーションに変化が生じているようです。

SNS課を立ち上げ、オンライン施策とSNSマーケティングを強化

貴社では今後も、インスタライブを続けていく方針ですか?

そうですね。コロナ禍をきっかけに、オンラインを活用する大切さを実感しました。弊社としては今後もオンラインによる販売促進とSNSの活用に力を入れていきたいと考えています。そのようにSNSに注力するため、実は2022年10月から広報PR部の中に「SNS課」を新設しました。私も部署の立ち上げと同時に、SNS課に異動して仕事をしています。

アパレルには珍しくSNSの専門部署を立ち上げた

それはすごいですね! アパレルブランドでSNSに特化した部署を持つ企業は少ないように思います。多くの企業では、メイン業務の傍らでSNSの運用やライブ配信を行っている印象ですから。

私自身もSNS課に来るまでは、ほかの業務の合間にインスタグラムの運用を行っていましたから、本来あるべきSNSの戦略的な活用はできていなかったように思います。ただ、弊社の規模のアパレルブランドでSNSの運用に成功している企業はまだ少ないように感じます。その成功事例をつくれるように、現在はいろいろと試行錯誤を繰り返しながら、日々邁進しているところです。

最後に、ライブ配信を通じて実現したいことなど、今後の目標を教えてください。

弊社は今後も引き続きインスタライブを通じてお客様と密にコミュニケーションをとっていきたいと考えています。弊社のさまざまな広報PR施策の中で、インスタライブはお客様とのコミュニケーションツールとして大切な役割を果たしています。実際の店舗で接客するような気持ちで、どうすれば商品の魅力を分かりやすく伝えられるか、どうすればお客様のために良い情報をお届けできるかというマインドを忘れずに、今後もライブ配信に取り組んでいけたらと思います。

今日はさまざまなお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

取材・文 市岡光子
写真・編集 いからしひろき

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